「早寝早起き朝ごはん」ができている子どもには特徴がある?

サトウ助手
サトウ助手

博士、最近「早寝早起き朝ごはん」について話題になっているんですけど、これって本当に効果があるんでしょうか?具体的にどんな子どもに効果があるのか知りたくて。

ハクガク博士
ハクガク博士

ハクガク博士:おお、良い質問じゃ。実はこのテーマについて、わしも最近の研究を読んだばかりなんじゃ。岡部悟志さんの研究じゃな。彼の研究では、「早寝早起き朝ごはん」ができている子どもの特徴と、そのような子どもがどんな家庭環境にあるのかを調べておる。

サトウ助手
サトウ助手

具体的にはどんな特徴があるんですか?

ハクガク博士
ハクガク博士

例えば、子どもの就寝・起床時刻についてじゃが、小学生の6割が夜10時までに就寝しており、中学生では11時ごろ、高校生では12時ごろに寝ることが多いんじゃ。起床時刻は、どの段階の子どもも朝7時ごろがピークで、学校が始まる時間に合わせて起きておるようじゃ。

サトウ助手
サトウ助手

なるほど。じゃあ、朝ごはんの実態はどうなんですか?

ハクガク博士
ハクガク博士

いずれの学校段階においても、ほとんどの子どもが朝ごはんを食べているんじゃが、朝ごはんにかける時間は小学生が平均15分32秒、中学生が14分1秒、高校生が12分54秒と、学校段階が上がるにつれて短くなる傾向があるんじゃ。

サトウ助手
サトウ助手

それで、「早寝早起き朝ごはん」ができている子どもにはどんな効果があるんですか?

ハクガク博士
ハクガク博士

「早寝早起き朝ごはん」ができている子どもは、睡眠時間が少し長く、学習塾やメディアに使う時間が短い。また、自分で規則正しい生活を送っていると自覚しておる。成績(自己評価)には明確な差は見られないが、自主的・計画的な学習態度を持ち、心や身体の疲れが少ないことが確認されたんじゃ。

サトウ助手
サトウ助手

でも、都市部の子どもたちにとっては、「早寝早起き朝ごはん」は難しいって話も聞きますが?

ハクガク博士
ハクガク博士

その通りじゃ。特に都市部の小・中学生の中には「早寝早起き朝ごはん」が困難な子どもたちが多い。これには、居住地域の環境や家庭の状況が影響しているようじゃ。たとえば、母親の就業形態や家庭の生活リズムなどが関係していることがわかっておる。

サトウ助手
サトウ助手

家庭環境も関係しているんですね。それに対する対策はあるんですか?

ハクガク博士
ハクガク博士

全国一律の対策よりも、地域ごとの実情に応じた生活習慣の改善策が求められるのう。都市部と地方では状況が違うから、地域に適した対応策が必要じゃ。

サトウ助手
サトウ助手

博士、ありがとうございました。すごく参考になりました!

ハクガク博士
ハクガク博士

どういたしまして、サトウ君。いつでも質問してくれたまえ。

研究の内容を詳しく解説

「早寝早起き朝ごはん」は文部科学省を中心に、子どもたちの生活リズムを改善し、意欲・体力・学力向上を目指す取り組みとして進められています。この調査では、どのような家庭環境の子どもが「早寝早起き朝ごはん」を実践しているのか、調査データに基づいて明らかにしています。

子どもの就寝・起床時刻と朝ごはんの実態

子どもの就寝時刻の実態

  • 小学生の約6割が夜10時までに就寝。
  • 中学生になると就寝時間が11時、高校生では12時が最も多い。
  • 平均就寝時刻は小学生が夜10時12分、中学生が11時20分、高校生が11時57分。

子どもの起床時刻の実態

  • 全学年共通で起床時刻は朝7時ごろがピーク。
  • 小学生の平均起床時刻は6時40分、中学生は6時41分、高校生は6時33分。

子どもの朝ごはんの実態

  • いずれの学年でも「朝ごはんをしない」と回答した割合は1-3%程度。
  • 朝ごはんにかける時間は、小学生が平均15分32秒、中学生が14分1秒、高校生が12分54秒。

「早寝早起き朝ごはん」の定義

  • 就寝時刻、起床時刻、朝ごはんにかける時間を基に「早寝」「遅寝」「早起き」「遅起き」「朝ごはん」「朝ごはん抜き」の8つのグループに分類。

「早寝早起き朝ごはん」ができている子どもの特徴

1日の時間配分

  • 「早寝早起き朝ごはん」ができている子どもは、他のパターンに比べて睡眠時間が長く、メディアに使う時間が短い。
  • 小・中学生では学習塾の時間が短く、自主的・計画的な学習態度を持っている。

時間の使い方

  • 「早寝早起き朝ごはん」の子どもは規則正しい生活を送っていると強く自覚しており、朝は自分で起きている。
  • 自主的・計画的な学習態度を持っており、「毎日が楽しい」と感じる割合が高い。

学校の成績

  • 小・中学生では「早寝早起き朝ごはん」ができている子どもと他のグループとの成績差は見られないが、高校生では成績上位の割合が多い。
  • 学習時間の配分から、バランスの良い学校生活を送っていることが考えられる。

心や身体の疲れ

  • 「早寝早起き朝ごはん」ができている子どもは心や身体の疲れが少なく、「やる気が起きない」と感じる割合も低い。

「早寝早起き朝ごはん」ができている子どもの家庭環境

母親の学歴

  • 母親の学歴が高いほど「早寝早起き朝ごはん」ができているわけではなく、小・中学生では逆の傾向が見られる。

母親の就業形態

  • 常勤で働いている母親を持つ子どもが最も「早寝早起き朝ごはん」ができている。専業主婦やパート・アルバイトの母親を持つ子どもでその割合が低い。

居住地域

  • 都市部の子どもほど「早寝早起き朝ごはん」が困難。特別区・指定都市とその他の地域で大きな差がある。

「早寝早起き朝ごはん」ができている子どもは、睡眠時間が長く、規則正しい生活を送っており、自主的・計画的な学習態度を持ち、心や身体の疲れも少ない。家庭環境では、母親の学歴や就業形態よりも居住地域の影響が大きい。特に都市部では「早寝早起き朝ごはん」が困難な傾向が見られるため、地域ごとの実情に応じた生活習慣改善策が求められる。

研究の出典

【題名】「早寝早起き朝ごはん」ができている子どもの特徴とその家庭環境
【著者名】岡部 悟志(Benesse教育研究開発センター研究員)
【掲載誌】研究所報
【掲載日】2009年10月

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